市補助金活用企業を紹介 「㈱栄和産業ー建設機械大型プレス鈑金部品測定の効率化及び省コスト化ー」

市補助金活用企業を紹介 「㈱栄和産業ー建設機械大型プレス鈑金部品測定の効率化及び省コスト化ー」

㈱栄和産業(吉岡東4-15-5)では、綾瀬市中小企業強靭化推進補助金(Bコース)の採択を受け、令和3年度に、「建設機械大型プレス鈑金部品測定の効率化及び省コスト化」に取り組んだ。

事業効果などを同社企画部 荒巻部長に聞いた。

(㈱栄和産業本社工場外観)

 

1 企業紹介

Q 会社の主な製品は。
A 大型建設機械の外装部品が主力製品です。
具体的には、油圧ショベルカーの側面ドアカバーや、トンネル掘削車のリアカバーなどです。
そのほか、パネルフロントルーフ(バスの行先案内表示板の外枠)なども作っています。

Q 会社の強みや得意分野は。
A 大型プレスを活かした、大型製品の加工を得意としています。
また、若手からベテランまで幅広い年齢層の社員がバランスよく在籍しているため、技術の継承が行われており、誰が対応しても安定した品質を短納期で提供できている点も強みです。

Q 会社の主な設備は。
A 市内工場では、大型プレスとレーザー加工機が主要設備です。
特にプレスは200tから1,200tまで様々な種類があります。

(ショベルカー側面ドアカバー)

 

2 活用の背景
Q 今回の補助金の活用目的は。
A 主力製品である大型部品の検査時間短縮のためです。
これまで大型部品の測定は「レイアウトマシン」で行っていました。
重さ100㎏を超えるような大型部品を人の手でレイアウトマシンまで運び測定するため、男性従業員に負担がかかり、人工も多く必要となっていました。

また、測定を手動で行うため、精度にもバラつきが生じていました。

(レイアウトマシン)

 

3 導入した設備

Q 導入した設備とその性能は。
A ㈱キーエンス製のワイドエリア三次元測定機を導入しました。

(三次元ワイドエリア測定器(カメラユニット))

プローブ(測定装置)とカメラユニット、専用のノートパソコンが連動しており、プローブとカメラユニットで読み取ったデータが自動でノートパソコンに転送されます。
10メートルの製品まで測定できるため、弊社の製品はすべて測定できます。

 

4 事業効果
Q 導入したことによる効果は。
A 検査の所要時間が半分以下になり、精度も向上しました。
この測定装置は持ち運びが容易であるため、製品を移動させる必要がなく、周辺にスペースがあればどこでも測定することが可能です。

導入により、男性従業員の負担解消、測定人工の削減、測定精度の平準化により生産性の向上につながったほか、測定装置自体は誰でも持ち運び可能なため、性別や年齢問わず測定が可能となり、人材活用や採用の幅が広がりました。

導入後、すぐに効果を検証できており、今後、慣れていくことで測定時間は更に短縮できます。

 

5 今後の目標
Q 今後の目標などは。
A 今後、これまで以上に長尺(4m以上)な製品を製造するため、新たな加工設備の導入を予定しております。

その製品における品質保証についても、今回導入した測定装置を活用していきたいと思います。

また、市内には当社と同様に、大型金属プレス製品を扱う企業が多く存在します。当社は市内工業会事務局も務めていることから、会員を中心に市とも連携し、市内企業に対し今回の取り組みをPRしていきたいです。

引き続き、誠心・誠意・誠実を忘れず、品質を守ることを大切にしていきます。

 

【綾瀬市中小企業強靭化推進補助金とは】

新たなビジネスモデルの構築や生産性向上に係る設備導入を目的とした市内企業の投資を支援する補助金です。
AコースとBコースの2つがあり、それぞれ上限額が1,000万円、300万円(補助率2/3)となっています。

※綾瀬市中小企業強靭化推進補助金の詳細は、こちらをご確認ください。

各種認証制度などを取得し、社会的価値の向上を図ることで審査時の加点要素となります。

※㈱栄和産業は、かながわSDGsパートナーを取得しています。

あやせものづくり研究会

あやせものづくり研究会

関東でも有数の町工場で栄える神奈川県綾瀬市。

自動車関連産業で培ってきた、機械器具などのさまざまな種類の素材加工に定評がある工業地域です。

4つもの工業団地を抱えながらも少人数での生産体制をとっている工場が多く、高い技術力と、まるで手仕事のように想いを込めた製品づくりをしています。

その価値を再発掘・表現し、地域を向上させるため、意欲を持った市内中小企業の企業経営者等によって、あやせものづくり研究会はうまれました。

  • 金属
  • 非金属