市補助金活用企業を紹介 「㈱共栄精機ービジネスモデル転換事業ー」

市補助金活用企業を紹介 「㈱共栄精機ービジネスモデル転換事業ー」

㈱共栄精機(早川2647-25)では、綾瀬市中小企業強靭化推進補助金(Aコース)の採択を受け、令和3年度に「ビジネスモデル転換事業」に取り組んだ。

事業効果などを同社取締役坂井工場長に聞いた。

(㈱共栄精機外観)

 

1 企業紹介

Q 会社の主な製品は。
A 航空機や真空ポンプのほか、有機ELを中心としたFPD(フラットパネルデスプレイ)向けの部品加工を主力事業としています。

(有機EL製造装置用部品)

 

Q 会社の強みや得意分野は。
A チタン、インコネル等の難削材の加工を得意としており、他社で断られた案件も積極的に請け負っています。

Q 会社の主な設備は。
A 立体マシニングセンターとNC旋盤が工場の設備の主力となっており、切削加工をメインに行っています。

(数々のNC旋盤)

 

2 活用の背景
Q 今回の補助金の活用目的は。
A 会社として新規分野となる半導体分野へ進出するためです。

Q 新規分野に参入しようとしたきっかけは。
A コロナの影響を受け、主要製品であった航空機や真空ポンプ関連の受注が著しく減少し、経営が悪化していました。

その状況で、主要取引先が半導体製造装置の生産に着手するとの情報がありましたので、その部品の受注に向けた投資を行おうと考えました。

また、半導体市場自体が長い目で見れば確実に成長していく市場であると考え、会社として力を入れていこうと決心しました。

 

3 導入した設備
Q 導入した設備とその性能は。
A 既存の設備の約10~100倍の精度での加工が可能なオークマ㈱製のLB400EX Ⅱを弊社仕様にカスタマイズを施し、求められる精度に応えられる設定を施しました。

(LB400EX Ⅱ)

これまでの切削加工で培った技術力やノウハウを活かし、半導体分野で求められる加工精度に応えていきます。

 

4 事業効果
Q 導入したことによる効果は。
A 先述の主要取引先からの、半導体製造装置を生産するための部品の試作品の受注に繋がりました。

今後、製品としての受注になるよう注力していきます。

 

5 今後の目標
Q 今後の目標などは。
A 新分野での受注拡大を図っていきたいです。

事業が軌道に乗った際には、展示会等への出展を行い当社の加工品の説明をしていくことで、付加価値の高い半導体業界の加工品について積極的にPRを行い、地域の活性化に貢献したいです。

最近では、本補助金以外にも様々な制度を活用して設備投資を行っており、それに合わせて採用にも積極的に取り組み、徐々に会社の規模が大きくなっていますが、創業時の「目の前の仕事に確実に取り組む」という初心を忘れず、活動していきたいです。

(導入したLB400EX Ⅱを操作している様子)

 

【綾瀬市中小企業強靭化推進補助金とは】

新たなビジネスモデルの構築や生産性向上に係る設備導入を目的とした市内企業の投資を支援する補助金です。

AコースとBコースの2つがあり、それぞれ上限額が1,000万円、300万円(補助率2/3)となっています。

※綾瀬市中小企業強靭化推進補助金の詳細は、こちらをご確認ください。

各種認証制度などを取得し、社会的価値の向上を行うことで採択にあたっての加点要素となります。

※㈱共栄精機はBCP(事業継続力強化計画)の認定を受け、災害、感染症など不測の事態でも業務の継続ができる体制を構築しています。

あやせものづくり研究会

あやせものづくり研究会

関東でも有数の町工場で栄える神奈川県綾瀬市。

自動車関連産業で培ってきた、機械器具などのさまざまな種類の素材加工に定評がある工業地域です。

4つもの工業団地を抱えながらも少人数での生産体制をとっている工場が多く、高い技術力と、まるで手仕事のように想いを込めた製品づくりをしています。

その価値を再発掘・表現し、地域を向上させるため、意欲を持った市内中小企業の企業経営者等によって、あやせものづくり研究会はうまれました。

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