㈱ミズキ-選別工程の再構築による省人化と品質保証能力の高度化を目指す-

令和3年度に創設された綾瀬市中小企業強靭化推進補助金は、市内企業の活性化や高度化を図るため、新たなビジネスモデルの構築や生産性向上に係る設備導入を目的とした投資を支援しています。
AコースとBコースの2つがあり、それぞれ上限額が1,000万円(補助率2/3以下)、300万円(補助率2/3以下)です。

株式会社ミズキ(綾瀬市小園717-14)が、Bコースを活用し、選別工程の再構築による省人化と品質保証能力の高度化を目指す事業を行いましたので、同社にお話を伺いました。

 

(写真 株式会社ミズキ 外観)

 

1 企業紹介
Q 会社の主な製造製品は?
A ネジ、シャフト、スクリューなどの精密締結部品が主な製造製品です。

(写真 当社製造の精密締結部品)

(写真 自動車ヘッドランプ用締結部品)

 

Q 会社の主な設備は?
A 圧造機、転造機、NC旋盤、選別機、測定機器が主要設備です。

 

Q 会社の強みは
A 市内でも当社ほどのネジ生産量(1日200万本)がある同業他社はありません。
また、当社は顧客からの要望は断わらないことを基本としており、例えば、当社はワッシャーを製造しておりませんが、ネジと一緒に納品して欲しいという要望があれば、一貫受注し自社の調達能力を活かして低価格かつ短納期で対応します。海外工場と価格で競争することは難しいため、顧客への対応力で当社が選ばれるように努めております。

 

2 補助金活用の背景は

Q 今回の補助金の活用目的は?
A 人員の適正配置による生産性の向上と、品質保証能力の高度化を目指すためです。
従前は、異品の混入や不良品を出さないよう、製品の出荷前に目視、機械式の選別装置、及び画像検査装置で検査を実施していましたが、「不良ゼロ」を達成するための全数検査はできておりませんでした。そこで、全数検査を達成しながら、人材不足やコスト削減の観点から、選別工程を省人化し、人員の適正配置によって、生産性を高めていく必要がありました。
また、顧客から要求される品質レベルは年々高くなり、出荷した商品に不良品が混入していた場合、顧客からの信頼を失うだけでなく、顧客からの監査が入ります。そのため、再発防止対策を徹底し、品質を高める必要がありました。

 

3 導入した設備
Q 導入した設備とその性能は?
A 東京技研工業株式会社と共同で開発した画像処理検査装置「ZARA-KEN(ザラケン)」を導入しました。
【性能】
・検査対象製品を毎分5,000個検査可能。
・検査対象製品の自動投入が可能。
・シャフト等、形状により既存の検査機では検査できない製品にも対応可能。
・検査前に行う製品形状・寸法等の登録作業が容易であり、一度登録をすると、再度同じ製品を検査する際に、再登録が不要。

(写真 画像処理検査装置「ZARA-KEN(ザラケン)」)

(写真 東京技研工業株式会社と開発した自動投入装置)

 

4 事業効果
Q 導入したことによる効果は?
A 人員の適正配置による生産性の向上と、品質管理体制を高めることができました。
本事業で導入したザラケンを活用することにより、熟練の技術者が、ネジ製造装置の調整・段取りなど、難易度の高い仕事に専念できるようになり、人員の適性配置によって、生産性を高めることができました。
また、ザラケンは選別工程において、検査対象の形状に関係なく、高速で大量に選別ができるため、全数検査が可能となり、さらに、異品混入ゼロを達成することで、品質管理体制を高めることができ、顧客から更なる信頼を得ることができました。

 

5 今後の目標
Q 今後の目標は?
A 今回実施した人員の適正配置により、当社の技術者を、生産に直結する製造部門に配置することで、さらなる売上増加を目指します。
また、今後見込まれる多くの受注に対応していくため、生産能力向上を目指し、敷地内に新規工場の建設を検討していきたいと思います。

 

【綾瀬市中小企業強靭化推進補助金とは】

新たなビジネスモデルの構築や生産性向上に係る設備導入を目的とした市内企業の投資を支援する補助金です。

AコースとBコースの2つがあり、それぞれ上限額が1,000万円、300万円(補助率2/3)となっています。

※綾瀬市中小企業強靭化推進補助金の詳細は、綾瀬市ホームページ(こちらをクリック)をご確認ください。

各種認証制度などを取得し、社会的価値の向上を行うことで採択にあたっての加点要素となります。